Violet Detective
「夜中に送ってくるなんて常識を考えてよ……」

ひとりごとを言いながら、メールを開く。その時、バタバタと誰かが走ってきた。私の目はメールから扉に向けられる。

「蘭ちゃん!!大変だ!!ちょっと来て!!」

慌てた様子の東さんがキッチンに飛び込んできた。

「どうされたんですか?」

そう訊ねる私の腕を、東さんは強引に引っ張る。かなり痛い。しかし、顔をしかめても東さんが力を緩めることはなかった。そのまま私はリビングに連れて行かれる。

リビングでは、テレビがつけられニュースが流れていた。それを椅子に座った右京さんが真剣な顔で眺めている。

『今朝、都内にある建設途中の建築現場から男性の遺体が発見されました。男性の身元を確認したところ、寺井広樹さんだと判明しました。警察は寺井さんが誤って転落したとみて捜査を進めています』

建築途中のマンションの屋上から寺井は転落したと、何度も報じられる。

「……そんな……」

西園寺の周りの人間が次々と亡くなっている。一体なぜ……。

「……この事件は、闇が深い」

右京さんがそう呟いた。
< 41 / 53 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop