無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる



学校を休んで、きょうで2日目。


律くんには、メッセージで風邪を引いたことと、お父さんと話ができていないことは伝えてある。


....がんばる、と決めたくせに、なんでこんなときに風邪なんて、ほんとうにタイミングがわるい。


ひたすら自己嫌悪で、すこしでも早く治してお父さんと話をしたいのに。


昔から風邪を引きにくい体質の反動か、一度体調を崩すと治るのが壊滅的に遅いのだ。


『未桜はね、風邪治るのにはだいたい4日くらいかかるよ』というお母さんの見解も、あながち間違いではない。



「お母さん、いま何時....?」


「お昼の12時ちょうど。なにか食べれそう?」


「あ、もうそんな時間なんだ。....えと、お母さんのたまご粥食べたいな」


「ふふ、りょーかい。すぐ作るから、おとなしくしてるのよ」


ふんわりと笑ったお母さんは、そのまま部屋を出ていった。


パタン、とドアの閉まる音がしたことを確認したあと、ほっと息をこぼす。


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