無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる



その言葉を聞いて、そこで初めて''ヤる''の意味を理解した。


あとで汚される....つまり、そういうことをするお店に売られて回されるってこと?


さあああ、と血の気が引いていく。


「っいや、です....」


「ウン、やだろーね。でも、もー手遅れだ」


「た、助けてください....っ」


初めて動揺を見せた私に、中村さんはにやあっと笑いながら私の頬をなぞった。


ぞわあっと背中を冷えきったものが伝って、顔が引きつる。


それから、縛られている私の身体を舐め回すように見つめて、またにやあっと笑う。


「以外とスタイルいーじゃん、アンタ。抱いてやろーか」


「そ、ういう話じゃなくて....。助けてください」


「オレ、最近オンナとヤってねーの。抱かせてくれたら助けてやろーかなあ....なんて」


初めて、こころの底からひとのことを気持ち悪いと思った。



「桜雅のオンナ抱けるとかサイコーじゃん?自分のオンナを汚されたってわかったら、どんな顔するんだろーなぁ」


そして、こころの底からクズだと思った。


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