無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
「で、どーする?」
「あ、あのひとが来る...って電話で言ってたじゃないですか」
「あー....大丈夫じゃね?」
骨ばったゴツい手のひらが、肩をつうっとなぞって、そのまま腕を掴まれた。
「....っ」
「その怯えまくった表情いいねえ、クるわ」
だんだんとその手が下に降りてきて、ぎゅっと唇を噛み締める。
体調とは別の次元で、きもちわる....。
固く目を瞑って、はやく終われ....と、''待っていた''ら。
────ブー、ってバイブ音
「ちっ、イイとこだったのに」
軽い舌打ちを落とした中村さんが、渋々といった様子で離れてく。
ほっと、安心のため息をこぼしたのもつかの間。
ジャケットのポケットからスマホを取り出して画面を見ると、はあ、とまるで私に見せつけるみたいなため息をつきながら、その画面を私の顔の前に持ってきて。
「時間切れ───ざんねーん」