無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
「....ごちそうさまでしたっ」
手を合わせながら、時計を見ると約束の15分前。
ささっと食器を台所まで持っていくと、私は早急に洗面所へと向かった。
────焦っていた私は、気づかなかった
「司(つかさ)。まだ未桜に''あの事''言わなくていいの?」
「....悩んだんだけどな、莉子(りこ)。未桜の16歳の誕生日に言おうと思ってる」
「そう、」
私がいなくなった後で、お父さんとお母さんがこんな話をしていたことも。
これから、私の日常が大きく変わっていくことも。
15歳の私は、まだ何も知らない。