無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
長い睫毛を透明な雫で震わせて、ふるふると首を振る悠莉は、私の左手をぎゅ、と掴んで。
掴まれたところを見てみると、赤いかさぶたのようなスリ傷。
....これ、香山に押し倒されたときにできた傷、だろうか。
「あんまり無茶しないで、お願いだから....」
「ゆうり....」
「なにがあったのかはわからない....けど。でも、未桜が自分のこと大切にしないの、だめだから。っほんとわたし怒るから!!縁切るからねっ!?」
ふんっ、とそっぽ向く彼女は、昔から変わらない。
私にとって悠莉は、やさしいお日さまみたいな存在。
ぽかぽかとふわふわとしてて、傍にいると自然と笑顔になれる。
そんな彼女に、私はずっと救われているの。
「うん。約束する」
「約束やぶったら、こんどこそカエル10000匹.....っ!」
「な、なんかふえてない....?」
「いいの、これ決定事項です」
そして、どちらともなく顔を見合わせたら、ふふ、と笑みがこぼれた。
私の隣でふんわりとした柔らかく微笑む悠莉に、ぼうっと見惚れてしまう。
.....いつ見ても、バツグンにかわいいなあ。