無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
ポカンと目を見開いたまま動けない私とは対に、律くんは手慣れたようにドアを開けて、中に乗り込む。
「ほら、お前も早く乗れ」
「う、うん....」
なんだか緊張してしまい、キョロキョロ視線を迷わせながら、そっとシートに座る。
そして、車の中に入ると、私は呆然としてしまう。
え....なんで、車のなかにこんな大きいテレビが?....フルーツもあるし。
恐る恐るシートに寄っかかってみると。
「わっ....ふかふかだっ....!」
あまりの心地よさに、声をあげてしまった。
はっとした時には、もう遅い。
「ふっ、ガキ....っ」
手を口元に添えて、クスクス笑う律くん。