無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる
「.... ガキじゃないもん」
「そーやってすぐ拗ねるところがガキなんだよ。な、未桜ちゃん?」
まるで子供扱いをするように、ちゃん付けで呼んでくる律くんに、言い返そうとしたその時。
バックミラーごしに、知らない男の人の姿が写った。
その人は、目をまん丸く見開いて、こちらを凝視している。
「り、律くん....あの人は?」
運転席に座っている──ということは、運転手さん?
律くんの裾を引っ張りながら、コソコソと訪ねると。
「あぁ....。晴は、俺の運転手かつ執事」
「しっ、執事.....!?」
聞き慣れない言葉に、大きく反応してしまう。
執事って.... あの、お金持ちの家にいる、お世話とか、いろいろしてくれる人、だよね?
さっきから思ってたけど....律くんって。