晴れ所により雷雨、所により告白【続編完結】
そういえば、課長、いつもブラックコーヒーだ。

甘いの苦手なのかな。

「分かりました。
 行ってきますね。」

私は、いそいそと売店の列に並ぶ。

メニューを見ると、塩味とキャラメル味が半分ずつ入ったのが売っていた。

よし、これにしよう!

私は、飲み物とポップコーンを買って課長の所へ戻る。

すると、課長がトレイを持ってくれた。

二人で中に入り、席に着く… けど…

「課長? ここ… ?」

「ダメ…かな?」

課長は心配そうに私を見つめる。

はぁ…

「いいですよ。
 その代わり… 」

条件を出す。

途端に課長は嬉しそうに笑った。


課長が買ってきた席は、いわゆるカップルシート。

二人がけのソファーなので、二人でいちゃいちゃしながら映画を見られるっていうやつ。

それは別にいい。

まだ数日しか経ってないとはいえ、一応、お付き合いしてるわけだし、手を繋いだこともないような純情な思春期のカップルでもない。

問題は、それを私に内緒で決めたこと。

私に飲み物を買いに行かせてる間に、こっそり買って事後承諾ってひどくない?

まぁ、断られたらどうしようって思ったのかもしれないし、恥ずかしかったのかもしれない。

だから、私はお仕置きをすることにした。

「映画の間、ずっと手を繋いでて
 くださいね。」

思いのほか甘かった私のお仕置きに、大人な課長が一瞬で思いきりかわいくなった。

ふふっ
かっこいい課長もいいけど、かわいい課長もいいなぁ。
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