晴れ所により雷雨、所により告白【続編完結】
「そんなに意地張るなよ。
 5年も一緒にいたんだ。
 俺の方がいいに決まってるだろ。」

智也が無理矢理抱きしめてくる。

「嫌!! やめて!!
 私、もう智也のことなんて、なんとも
 思ってないから!」

身を捩って、なんとか智也の腕から逃げようとするけど、課長と違って智也は小柄で華奢な作りなのに、それでも男の力で押さえつけられると、私の力では抗っても抜け出すことはできない。

「そうやって逃げると男が追いかけたくなる
 って知っててやってるんだろ?
 ずるいよなぁ。
 まぁ、たまには追いかけるのも楽しくて
 いいか。」

智也は唇の端を上げて笑う。

「違う!
 ほんとに智也のことなんて、もうなんとも
 思ってないから!
 お願い、離して!!」

その時…

ピンポーン ♪

玄関のチャイムが鳴った。

課長!!

「課長!! 助けて!!」

私が叫ぶと、慌てた智也に口を塞がれた。

「んー!!」

声にならない声を上げて抵抗するけど、智也の力の方が強い。
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