晴れ所により雷雨、所により告白【続編完結】
「違うんです。
 あの、ごめんなさい。」

「いや、いいよ。気にしなくて。
 焦ることでもないし。」

いやいや、まだ勘違いしてるし。

「ほんとに、違うんです。
 あの、私が臭いから… 」

「え?」

課長は不思議そうに首を傾げる。

「あの、その、汗臭いから、
 できれば近寄らないでもらえると… 」

私がそう言うのを聞いて、課長は吹き出した。

「プッ くくくっ
 そんなこと気にしてたの?」

って、笑い事じゃないんだけど。

「大丈夫。
 全然臭くないし、百歩譲って臭かったと
 しても、俺、晶の匂いなら全然気に
 ならないよ。」

そう言って課長は、私の頭をぽんぽんと撫でた。

いや、そこが一番ベタついてるんですけど…

でも、そんな心配とは裏腹に課長にされる頭ぽんぽんはなんだか気持ちがよくて、頑なだった心がほわんと癒される気がした。

「大体、そんなこと言ったら、晶より俺の
 方が臭いだろ。
 汗はおじさんの方が臭いって相場は
 決まってる。
 晶は俺の隣にいるの嫌じゃない?」

私はブンブンと首を横に振る。
そんなの気にしたこともなかった。

「よかった。
 そんなのお互い様ってことで、気にせず
 美味いもの食おう。」

課長に言われて、ようやく私はご飯のことを考えられるようになった。
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