晴れ所により雷雨、所により告白【続編完結】
それを聞いた智也は、悔しそうに唇を噛み締めた。

「そんなの、元々俺が惚れた女じゃないん
 だから、しょうがないだろ。
 俺、別に自分からナンパとかした訳じゃ
 ない。
 向こうから寄ってきて、どうしてもって
 言うから、抱いてやっただけだよ。
 なのに、子供が出来たから結婚しろとか、
 結婚すれば社長になれるとか、捨てたら
 社長がどう思うか分からないとか
 言われて、仕方なく結婚してみれば、
 浮気したって責められて。
 元々、あいつだって浮気相手だったのに。
 晶だって分かってるだろ。
 俺が自分から告ったのは、お前一人
 なんだよ。
 なのに…… 」

智也が勝手なことを言ってるのは分かってる。
分かってるけど、憐れだと思ってしまうのは、なぜなんだろう。

「それは、君が、寄ってきた女の子達を
 ちゃんと断らなかったからだろう?
 俺なら、誰が言い寄ってきても、はっきり
 断るよ。
 他の女性が何人泣こうとも、晶だけは
 泣かせたくないからね。
 君は、自分のしたことを晶が知ったら、
 晶が悲しむとは思わなかったのか?」

龍が私の言うべきことを代弁してくれる。

「思ったさ。
 思ったから、晶には絶対にばれないように
 したし、実際、晶は気づいてなかった
 だろ?
 俺だって、晶だけは泣かせたくなかった。
 あの時、子供さえできなければ… 」

龍は、拳を握った。
もしかして、怒ってる?

「じゃあ、逆だったら?
 晶に俺が言い寄って、君に気づかれない
 ように俺と浮気を繰り返してたとして、
 君が気づかなければ、それでも構わない
 と言えるのか?」

「それは……
 だけど、あんたは若くして課長で、地位も
 名誉も持ってるだろ。
 晶だけ、俺に返してくれてもいいじゃ
 ないか。」

ダメだ。
智也は何も分かってない。
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