本田くんを振り向かせたい
「おはよう」
次の日。柊と、目をあわせるのが、辛かった。
「お、おはよ」
そう言うのが精一杯で。
「お前、あいつとなんかあった?」
本田くんにそう聞かれたけど…
「ううん。何にもないよ」
嘘をついた。
「大丈夫?」
いつもは優しくないくせに。
こういうときに限って、優しい。
「本田くんには関係ないよ。大丈…」
「大丈夫じゃないだろ?そんな顔してたら心配するじゃん」
なんで…
優しくしてくれるの?
「ホントに何でもない。ほら。次、移動だし」
「無理すんなよ」
今日の本田くんはいつもと違った。
なんか変だった。

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