秋の魔法
秋色と影色の魔法使い
僕は今日も殴られ、蹴られたりして痛む体を引きずって歩く。

家に帰ることが怖くて1歩を踏み出す事に僕の恐怖心は強くなるばかりだ。涼しい風が吹き、僕の髪を優しく揺らしていく。

その時、見慣れた後ろ姿を見かけ、近寄った。数人の友達と帰っているようだ。

「先輩…っ」

僕が声をかけると、皆は一斉に後ろを振り向いた。深い青い目を持つ少年、近藤 美影(こんどう みかげ)先輩は僕を見つめて微笑む。

「秋羽(あきは)…だよね?」

「はい」と僕はうなずいた。近くにいる緑目の少女、紫目の少女が僕を見つめて首を傾げた。

「あ、初めまして!僕は魔法学校2年生の紅桜(べにざくら) 秋羽と言います」

僕はそう言って頭を下げた。先輩には、一度助けられたことがある。その日から半年後ぐらいに再開した僕は、先輩と仲良くなり、何でも話を出来る関係になっていた。

黄色い目を持った少年、山吹 琥白(やまぶき こはく)先輩は僕に「久しぶりだな!」と明るい笑顔を見せた。

ちなみに、僕のことを詳しく知ってくれているのは美影先輩だけ。

「…私は若竹 氷翠(わかたけ ひすい)」

「私は紅月 瑠梨(あかつき るり)……」

氷翠先輩はそう言って頭を下げ、瑠梨先輩は恥ずかしそうにうつむいた。

「氷翠先輩に瑠梨先輩ですね!よろしくお願いします」

僕はもう一度頭を下げた。
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