冴えない私の周りは主役級ばかり~雫の恋愛行進曲〜
「何やってるんだろ、わたし。これじゃあストーカーさんね」



我に返り、部屋の片隅に立て掛けている等身大の姿見に、冴えない自分を映し出す。



鏡には小柄で貧相な身体つきの無垢な少女の姿が映し出されている。


 
「うーん。可愛くない事は……無いよね?」



姿見に色んな角度を映し出し、自身をチェックする。
贔屓目に見てもやはりそんなに悪くは無い。……筈だ。髪も肩先まで伸びてきている。



周りには主役級の女子が居る為、相対的に悪く見えるのだと、思春期な自分を慰めてみる。



わたしも馬鹿では無い。蓮と釣り合いが取れてない事など百も承知だ。
いや、だが、しかし、どうしても未練を断ち切れないのだ。



「……蓮がフリーな内は別に片思いしててもいいよね?」



わたしは姿見に映る、間抜け面な自分にそう言い聞かせたのだ。
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