あなたの隣で、その約束を。



状況に着いていけない私は、スッポリとルーカの腕の中に包み込まれた。



「ルッルーカ!」


「ごめん。我慢できない。この日をどれだけ待ちわびたか」



ルーカの抱きしめる力が徐々に強くなり、それと共に全身が熱くなる。


何度も何度も耳元で名前を呼ばれ、その都度かかる吐息になんだか体がビリビリしてしまう。


初めての感覚に困惑していると、唇に暖かい感触を感じた。



「え……」


「俺、ちゃんと騎士になって帰ってきたよ。リル。しかも推薦されて、この城で働けることになったんだ!」



子供のように嬉しさを表情に表して、またしても抱きしめられた。



「え、ど、どういうことなの?」


「リルが頑張ったから。この国でも俺は騎士として生きていける。君と共に歩んでいけるんだ」


「じゃあ……私の側近に……?」


「リルが俺を指名してくれたらね」



夢じゃないかと思った。


長い間夢に見た、ルーカが私の側近になって傍にいてくれることが現実になろうとしている。






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