あなたの隣で、その約束を。
あの日から3年の月日が流れた。
今日も穏やかな日々の中、私は忙しなく業務に追われつつ政治的実権を手にして差別のない世の中を生み出していた。
上の大人達も私の維持に負けたのか、大人しくなった。
嬉しいことに、亜人への差別はほとんどなくなり住みやすい国へと生まれ変わりつつあった。
「姫様!エルゼント王国の使者が見えております」
自室で書類達に目を通していると、突然そう告げられた。
中に入っていいことを伝え、すぐに扉が開く。
「失礼致します」
そう言って入ってきた、その人物に目を丸くして見つめることしかできなかった。
「お元気そうで何よりです、姫様」
見たこともない立派な騎士格好で片膝をついて、こうべを垂れるのは……紛れもないルーカだった。
従者に下がるよう伝えて、ルーカと部屋に二人きりになる。
こんなシチュエーション体験したこともなくて、オドオドしながらルーカの前に立った。
「ルー……カ?」
「はい。約束を果たしに参りました」
そう言ったかと思えばすぐに立ち上がり、私の目の前に立ち塞がり急に抱きしめた。