異世界ニコニコ料理番~トリップしたのでお弁当屋を開店します~
あのあと、私たちはボコボコになったランチワゴンで最初に訪れたカイエンスの町に戻った。
エドガーがところどころ凹んで剥がれたランチワゴンの外装を修理する間、私は残りの仲間たちとともにニコニコ弁当を販売して過ごしている。
滞在してまだ数週間だというのに常連さんまでできて、今日も大繁盛だ。
私は皆と一緒にすべてのお弁当を売り終わると、休憩も入れずにキッチンに立つ。
これから見事試験に合格し、海に旅立つロズベルトさんをお祝いするための特別なお弁当を作るのだ。
「頼まれていた鯛を仕入れてきましたよ。私が選んだものですので、味の保証はします」
私のお使いで港に行っていたオリヴィエが戻ってくると、ランディが木箱の中に入っている鯛をまじまじと観察する。
「なんで、これがいい魚だってわかるんだ?」
「鯛はよく泳ぐ魚ですから、尾びれが大きく育っているか、固い貝を食べるので顎が丸く発達しているか、歯が鋭く固いかを見れば一目瞭然です」
「へえ、今度俺もついてっていいか? 教えてくれよ、うまい食べもんの見極め方」
興味津々のランディに頼られてくすぐったかったのか、オリヴィエは頬を赤らめて「別に、構いませんよ」と素っ気なく返事をした。
素直じゃないな、と小さく笑いながら私はといだお米と昆布を炊飯器の窯に入れて一時間ほど置く。
その間に鯛の下処理をするため、まな板の上に載せた。
エドガーがところどころ凹んで剥がれたランチワゴンの外装を修理する間、私は残りの仲間たちとともにニコニコ弁当を販売して過ごしている。
滞在してまだ数週間だというのに常連さんまでできて、今日も大繁盛だ。
私は皆と一緒にすべてのお弁当を売り終わると、休憩も入れずにキッチンに立つ。
これから見事試験に合格し、海に旅立つロズベルトさんをお祝いするための特別なお弁当を作るのだ。
「頼まれていた鯛を仕入れてきましたよ。私が選んだものですので、味の保証はします」
私のお使いで港に行っていたオリヴィエが戻ってくると、ランディが木箱の中に入っている鯛をまじまじと観察する。
「なんで、これがいい魚だってわかるんだ?」
「鯛はよく泳ぐ魚ですから、尾びれが大きく育っているか、固い貝を食べるので顎が丸く発達しているか、歯が鋭く固いかを見れば一目瞭然です」
「へえ、今度俺もついてっていいか? 教えてくれよ、うまい食べもんの見極め方」
興味津々のランディに頼られてくすぐったかったのか、オリヴィエは頬を赤らめて「別に、構いませんよ」と素っ気なく返事をした。
素直じゃないな、と小さく笑いながら私はといだお米と昆布を炊飯器の窯に入れて一時間ほど置く。
その間に鯛の下処理をするため、まな板の上に載せた。