異世界ニコニコ料理番~トリップしたのでお弁当屋を開店します~
「お母さんのこと、怒ってる?」
「え? どうして?」
「なにも話してくれなかったんでしょう?」
心配そうに尋ねてくるロキに、私はぶんぶんと首を横に振った。
「そんなことで怒ったりしないよ! ただね、いなくなって初めて、私はお母さんのことをなにも知らなかったんだなって思ったの。もっと、いろんな話をしておけばよかったって」
「そう……。雪、でもお母さんは過去のことよりも、あなたと生きた今が重要だと思っていたから話さなかったんだと思うわ」
私を慰めようとしてくれているのか、ロキは力説してくれる。
「うん、ありがとう」
ロキを抱きしめて頬をすり寄せていると、エドガーはランチワゴンのエンジンをかけて確認するように私を見た。
心の準備ができたかどうかを尋ねているのだとわかって、私は強く頷く。
「出発しよう!」
この先に待つものが天国か地獄か、幸福か困難かなんて誰にもわからない。
わからないからこそ、私は個性豊かな仲間たちと旅に出る。
そこで出会う人、いろんな国、まだ見ぬ景色──それらが目的や自分を見失った私たちに答えをくれると信じて。
END
「え? どうして?」
「なにも話してくれなかったんでしょう?」
心配そうに尋ねてくるロキに、私はぶんぶんと首を横に振った。
「そんなことで怒ったりしないよ! ただね、いなくなって初めて、私はお母さんのことをなにも知らなかったんだなって思ったの。もっと、いろんな話をしておけばよかったって」
「そう……。雪、でもお母さんは過去のことよりも、あなたと生きた今が重要だと思っていたから話さなかったんだと思うわ」
私を慰めようとしてくれているのか、ロキは力説してくれる。
「うん、ありがとう」
ロキを抱きしめて頬をすり寄せていると、エドガーはランチワゴンのエンジンをかけて確認するように私を見た。
心の準備ができたかどうかを尋ねているのだとわかって、私は強く頷く。
「出発しよう!」
この先に待つものが天国か地獄か、幸福か困難かなんて誰にもわからない。
わからないからこそ、私は個性豊かな仲間たちと旅に出る。
そこで出会う人、いろんな国、まだ見ぬ景色──それらが目的や自分を見失った私たちに答えをくれると信じて。
END

