同期は蓋を開けたら溺愛でした
お洒落なレストランに観覧車。
ベタベタなデートコースに連れて行く大友の意図が分かって、私をエスコートする大友の顔を上手く見られない。
「こんなこと、しなくても……」
「少しは格好つけさせろよ。前は、さすがにあんまりだろ?」
前って居酒屋で「本気でお前を落としに行く」って言い出した最初の時の話?
それとも、企画が上がったついでみたいに「付き合っとくか?」って言った時?
言われてみれば、どれもこれも居酒屋か、はたまた大友のアパートだ。
でも、その方が私たちにはしっくりくるのに。
「大友って案外、ロマンチスト?」
「うるさい。放っとけよ」
照れたように片腕で顔を隠しながらも、大友は券売機で観覧車のチケットを買ってくれる。
私は素直に「ありがとう」とお礼を言って、チケットを受け取った。
平日の雨で空いている観覧車はすぐに順番が来て、心の準備がままならない。
大友が先に乗り込むと、振り返って手を差し出された。
大柄な大友は乗り込む時に、扉のフレームの上部分に手を当て、体を屈めた。
中に乗り込んだ大友が、振り返って手を差し出すまでの一連の動作がすごく様になっていて、思わず見惚れてしまう。
「ん? 何? 乗らないのか?」
首を傾げられ、慌てて乗り込んだ。