同期は蓋を開けたら溺愛でした

 恨めしげな視線を向けられ、頬をむくれさせる。

「何よ」

「ったく。そのくらい自分で考えろ。とにかくこれから当分は俺ん家に泊れよ」

「なんで。嫌よ」

 そんなの心臓がいくつあっても足りない。

「いいから。俺が離れたくないんだよ」

 つっけんどんに言われた内容を理解するまでに時間がかかって、時間差で顔が熱くなる。
 だって言い方と内容とが不適合を起こして正常に処理できない。

「大友?」

「ん? 今は雄でいいんじゃない?」

「うん、雄?」

「お前さあ。変なところで素直だよな」

 大友が頭をかいてつぶやくから「もう話が前に進まない!」と文句を言う。

「かわいいよなって」

 目を細められ、見つめられると何も言えなくなる。

「とにかく泊まるんだからな」

 押し切られ、大友と2人アパートに向かった。

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