同期は蓋を開けたら溺愛でした

 オフィスに戻り、仕事をしていると大友がつぶやくように言った。

「飲みに行きたいな」

「そうだね。行きたいなあ」

 念願の商品化に向けて、商品開発部にどの生産ラインで製作していくのかを検討依頼までかけられた。

 あとは文房具フェスに向けてパンフレットの文言を考えたり、もちろん大人向けの改善案も考えなければならないけれど、一区切りついて打ち上げしたい心持ちになる。

 いつもなら、今日飲みに行くかってなるのに、大友の願掛けが引っかかって誘うに誘えない。

 すると原田課長が話に加わった。

「来週末にでも暑気払いの名目で、課のメンバーで社員旅行でもしようかって話は出てるぞ」

「来週ですか? 近々ですね」

 飲み会ではなく、社員旅行となると宿の手配もあるだろうし……。

「青木待ちで宿はある程度押さえてあるらしいぞ」

 原田課長の台詞に言葉を詰まらせて、大友を見つめる。

 大友は知っていたのか「良かったな」と優しい微笑みを浮かべ、頭をかき回された。
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