同期は蓋を開けたら溺愛でした

「……ごめん。見ちゃいけないものだった?」

「いや」

 言われてみれば大友から鍛えてるって話を聞かないし、一緒にいて腹筋をし出すって場面にも出くわさない。
 隠れて、鍛えたいっていうのが男心?

 理解しがたい行動に不思議になりつつも、この話題に触れるのはやめようと「そ、そうだ。私もお風呂借りるね」と話をそらす。

「ああ。俺、スラックスをクリーニングに出すついでにコンビニ行ってくるから、なんかいるか?」

「ううん。なにも。ビール、クリーニングで落ちるかな」

「ああ、平気」

 よほど気まずかったのか、大友は顔をこちらに向けずにアパートを出て行った。

「あーあ。やっちゃった」

 クリーニングに行かなきゃいけなかったとしても、このタイミングで外にエスケープするほど突っ込まれたくなかったのかな、と申し訳なくなる。

 あとでクリーニングについてはちゃんと詫びよう。

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