同期は蓋を開けたら溺愛でした

 十時の打ち合わせに向け、資料の印刷など準備を進める。
 十人程度が入れるこぢんまりとした会議室に私を含め、商品企画課は大友と原田課長の三人。

 営業も増永さんを含めた三人。

 人数分の資料を席に用意し、プロジェクターやパソコンも準備する。

 気合いの入った企画のせいか、準備しつつも次第に緊張感が高まっていく。

 一緒に準備をしていた大友は自分の資料を全て席に置いたところで、座って資料に目を通す私の右隣へ座る。

「大丈夫だ。いつも通りやれば。元気が取り柄だろ」

 こちらを見もせずにかけられる声はどんな言葉よりも心強く、私は小さく頷いた。

「そうだよね。ありがと」

 いつも、いつも。
 ここぞという時に欲しい言葉をくれる。

 私が、企画が通らなくても、うまくいかなくても、今まで腐らずやってこれたのは大友のおかげだ。

 それなのに……。

 ううん。今は余計なことは考えずにプレゼンを成功させられるよう頑張ろう。

 資料へ再び意識を集中し、アピールしたいポイントなど、プレゼン内容をおさらいした。

< 70 / 319 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop