同期は蓋を開けたら溺愛でした
出遅れた食堂は人がごった返している。
おのおのに選んだ料理をトレイに乗せ、席に座る。
私はハンバーガー。
大友は定食でご飯は大盛り。
育ち盛りかってくらい彼はよく食べる。
その食べっぷりは見ていて清々しい。
それさえも最近は見慣れて、なんとも思わなくなっていたのに、どうもいけない。
この姿も近々見納めになるかもしれないという感傷に浸るにはまだ早いはず。
「元気、ないんだな」
珍しく大友に話を振られ、目を丸くする。
食堂でのご飯中はほぼ私が話してて、大友は聞き役に徹している。
まあ、その話す側の私が黙っているからだろうけど。
話す気力が出ない私へ大友は言葉を重ねた。
「打ち合わせ中はどうにか話してたのにな。
力使い果たして電池切れか?」
先に食べ終わっている大友は紙ナフキンを手にして、私の口元を拭う。
「ついてるぞ。んっとに世話がやける」
さすがに会社の食堂で指で拭って、そのままその指を……って真似はしないにしても、当たり前みたいに口元を拭かれ、どう反応していいのかわからない。
いつも、どうだっけ?
どうしてた?
食堂で口なんて拭かれてたんだっけ?
いつも通り、普通。
何が普通か、何がいつも通りか分からなくなって混乱して、何故だか涙が出そうになる。