同期は蓋を開けたら溺愛でした
清水さんの後に続いて会議室を出て行く増永さんが、出口のところで振り返って私へ言った。
「青木さん。また今度でいいんで、僕ともお昼一緒に食べてね」
こっちはこっちで、わざわざ大友がいるところで言ってくる。
どいつもこいつも……と、八つ当たり半分の思いは顔に出さないように努め、増永さんに曖昧な笑みを返した。
2人だけになった会議室。
大友に何か言われるんじゃないかと戦々恐々としていても、特に何も言われない。
他の男と食べに行くなよ。とか。
増永さんにアプローチされてるわけ? とか。
恵麻は俺だけのものだ。とか。
最近の大友が言いそうな台詞を想像して、馬鹿みたい……と失笑が漏れる。
「お前さあ」
無言だった大友が突然話し出して身構える。
「……いや、なんでもない」
肩透かしをくらった気分になり、ぼんやりと大友を見つめる。
片付けを終えた大友は気怠げな視線を寄越した。
「ボケッとしてないで、飯行くぞ」
「あ、うん」
悪い夢だったんじゃないかな。
大友が私に好きだって言ったのも、大友のスマホに転職サイトからメールが届いていたことも。