孤独な私が愛を見つけたら
坂下さんは天を仰いで、手で髪をかき上げた。

「俺の気持ちが全く伝わっていない事にイラついてしまった。…あの時はみっともないくらい自分の行動が抑えられなかった。」

坂下さんがはにかんでこちらを向いた。

そんな坂下さんを可愛らしく感じる。

「佐奈、今笑っただろう。」

言葉とはうらはらに、優しく私を睨む坂下さん。

「意外ですね。前にも言いましたが。坂下さんはあの時憎らしいくらい私には落ち着いて見えていたんですから。」

「俺も佐奈の前ではただの男だって事だ。」

坂下さんは3度目のキスをした。








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