私の主治医はお兄ちゃん





私は少しずつ…
時間はかかったけど…

ママと一緒にいた時何を言われて、何をされて、何を思ったのか。



それを全部伝えた。





それを全部伝えられたのは聞いてくれたのが駿介だったから。


他の誰でもない私を真っ直ぐな目で真っ直ぐな気持ちで聞いてくれた。










ちょうど話し終える頃聞こえた私達を探している優也兄達の声。


すかさず反応する私と駿介。




駿「なぁ美音。もっと頼れよ。」



駿「俺は…美音に何かあったら…守りたい……俺はいつでも…お前の……味方…だ。」


そこまで伝えると私にもたれかかってくる駿介。


美「駿介?」



なんで気付かなかったんだろう。

暑がりでも寒いよ。今日は。

おでこを触ってみるとすごく熱かった。





優「いた!美音!駿!」


美「優也兄…湊斗兄……駿介が……っ!」







それから優也兄達は、私と駿介を引き上げて別荘へと連れて行ってくれた。






美「駿介……」

私のせいじゃん。

駿介が足怪我したのだって、
熱を出してしまったのだって。


ベッドで眠っている駿介は荒い息遣いで…

すごく辛そうで。



私の不安を引き立てていく。




美「ごめんなさい……っ!グズン。」



駿「美音……」


美「駿介っ!」


駿「ごめん。心配かけて。」


美「だって……私のせいで…っ」



駿「美音が怪我してなければ、体調崩していなければそれに越したことはないよ。優兄も湊斗兄もそうだけど思うけど、俺だって美音のこと嫌いにもならないし、見捨てたりなんて絶対しないから。」


美「駿介…」


駿「約束。だから美音は焦らずゆっくりまた俺らに心開いていけばいい。」


そう言って駿介と私は指切りをした。







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