私の主治医はお兄ちゃん





あれから3日が経った。


未だに美音は意識を戻すことはない。





俺は美音が眠っている集中治療室に様子を見に行き、その後駿介のいる病室へと行った。








コンコン



駿「あ、優兄。」


優「今日退院だよな?その前に血液検査だけしにきた。」



駿「ねぇ。美音は?」


その言葉に俺は下を向き、首を振った。







駿「………」


分かりやすく落ち込む駿。


そりゃそうだよな。







優「血液検査始めるぞ。」


俺がそう言うと駿は落ち込みながら頷いた。








すぐに駆血帯を巻き消毒をする。





駿「ねぇ、優兄。美音はさ、いつか運動したりできる時が来るのかな?」


優「どうした?いきなり。」




駿「いや……」


???



優「お前何か美音から聞いてるのか?」



駿「……」




言えない…か。




優「終わったらちゃんと聞くから、とりあえず一度深呼吸しようか。こんなに力入ってたら痛ぇぞ?」


駿「血液検査やらなきゃダメ?」



優「当たり前だろ。はい、刺すぞ〜」



駿「痛っ……ちょっと待って。」



俺が針を刺すと分かりやすく駿は顔を歪めた。





優「もう少し、頑張れ。………はい、終わり。」


駿「……痛ぇ。」



優「まだまだガキだな。」

そう言いながら笑うと駿も少しホッとしたような笑顔を見せた。





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