私の主治医はお兄ちゃん




約17年前のクリスマスイブ。








母『湊斗の弟と妹よ。湊斗はお兄ちゃんになったんだからこの子達をしっかり守ってあげてね。』



サンタさんがプレゼントをくれたかのように2人の天使が生まれてきた。



それが駿介と美音。






予定日より1ヶ月もはやく生まれて触ったら壊れてしまいそうなほど小さくてか弱い。




その日から俺はお兄ちゃんになった。








2人はよく熱を出し、その度に心配になって…



本当に手を焼いた。


























そんな体の弱い駿介と美音のためにきっと兄貴は医者になったんだろう。







美『やだやだーっ!お医者さん行かないーっ!!』


湊『でも美音お熱あるんだからちゃんと診てもらわないと!』


美『嫌ったら嫌ーーー!大丈夫だもん!』




声を荒げて大泣きする美音を病院に連れて行くのは本当に大変だった。



今思えばいい思い出だけど。











それからしばらくすると両親の転勤の話が出た。




それも海外。








しばらく美音は泣いて嫌がっていたがその頃には兄貴は研修医、そして俺も医大生。


大変ではあったけどそんなに苦ではなかった。






研修医でも兄貴は優秀だと周りからもかなり頼りにされているようだった。




美音達が体調を崩せば兄貴も診れるし俺もサポートができる。








その頃があったからこそきっと今の兄妹の形があるのだろう。




< 228 / 296 >

この作品をシェア

pagetop