私の主治医はお兄ちゃん







それから優兄とほぼ入れ違いかのように美音が入ってきた。


美「駿介…大丈夫?」


駿「え?お前1人?」


美「病院入るまで悠真くんが付いていてくれたよ。もう帰っちゃったけど…」




そーゆーことか。

てっきり1人で来たのかと……





美「ありがとね?」


駿「は?」


美「私のために悠真くんに頼んでくれたんでしょ?」


駿「別に……そんなんお前が気にすることじゃねぇだろ。」






俺がそう言って目を逸らそうとすると美音は笑顔で

美「ありがとう。」



と言った。







本当この笑顔見ると調子狂うわ。




駿「湊斗兄はそろそろ仕事終わるだろうからそしたら一緒に帰れ。」


美「そうなんだ!分かった!……ねぇ駿介?」


駿「なに?」





美「今さ…かなり体調悪いんじゃない?」


駿「……っ!?気のせいだろ…」


俺が言葉を濁すと美音は俺のおでこに手を当てた。






美「ほら!やっぱり熱高いよ?」


駿「大丈夫だっつーの。俺まじで調子いいから。」


美「んー……優也兄呼ぼうか?」


駿「まじでそれだけは勘弁して。」


美「でも……」


駿「大丈夫って言ってるだろ。」



俺は少し大きな声でそう言ってしまった。





美「ご、ごめん…じゃあ、私もう行くね。」



駿「い、いや。違くて!」


そう言ったのも遅くて…


美音は病室を出て行ってしまった。






ったく。

何やってるんだよ俺。






自分が体調悪くてそばにいてあげられない自分が悪いのに。








< 239 / 296 >

この作品をシェア

pagetop