私の主治医はお兄ちゃん






優「ふぅ……」



ひと段落を終え、俺はロビーの椅子に腰掛けていた。


瀬「おつかれ。」

そう言って瀬川は缶コーヒーを俺に渡すと隣に座り、自分の分の缶コーヒーを開けるとゴクリと飲み始めた。


優「サンキュー。」




日も暮れて人の気配が全くなく薄暗いロビー。


俺も瀬川からもらった缶コーヒーを開けた。



ゴクリ…



ん?







優「甘っ!!え?これコーヒー?」



暗くてラベル見えてなかった!!




瀬「カフェオレ!!なーんだ。お前はブラック派だったか〜!可愛いとこあるから実は甘党かと思った。」


優「いや…可愛くねぇから。」


瀬「そっかな〜。」




まぁでも…


こいつはこいつなりに考えて買ってくれたんだろうな〜


優「久しぶりにこんな甘いの飲んだよ。なんか懐かしいな。」


瀬「好んで飲んでた時期あったのか?」





優「いや……」



これ…

駿が好きでよく飲んでたやつ。




今はもうブラックしか飲まなくなったけど…






瀬「なんだかんだ仲良いのな。俺ネーちゃんしかいないから羨ましい〜」


優「そうか?俺はお兄ちゃんかお姉ちゃん欲しかったけどな。」


瀬「お互い無い物ねだりな。」


優「だな。」


瀬「まぁ、いつでも俺をお兄様と呼んでくれてもいいからな!」


優「それだけはやめとく。」


瀬「だよな。」


そう言って瀬川は笑顔になり仕事へと戻っていった。



俺もまた駿の様子みて仕事しよ。





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