私の主治医はお兄ちゃん


駿「美音?」

ぐったりして意識がない美音。


それに…おでこにある傷……

傷のことも気になったけど気にしてもいられなくて。


俺はすぐにタクシーに美音を乗せ病院に向かった。


タクシーに乗りながら電話をかける。


……もちろん相手は優兄だ。





駿「もしもし優兄?」

優『駿?どした?』



駿「今近くのデパートで美音が意識を失った。今病院までタクシーで向かってる。」

優『……そうか。わかった。受け入れ準備する。軽く状況教えて。外傷はある?』


少し間があった。
きっと”何か”を察したんだろう。



駿「パッと見で気になるのがおでこにある傷。」

優『どんな感じ?』



駿「何かで殴られたような。血も結構出ててまだ止まってない。」

優『熱はありそう?』



駿「体は少し熱い気がする。」


優『最後…美音が意識がなくなる前、その状況になった原因の心当たりは?』




……


駿「………母さんといた、、」



優『……分かった。駿大丈夫だから。少し落ち着けな。』


優兄は優しくそう言った。

落ち着けるわけなんてなかった。

美音も少し元気がないように見えるだけで何も言わないし何の素振りもない。



…俺はどうしたらいいのか。



どうしたら美音を守ってあげられる?


どうしたら…
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