交わることはない

東吾・みのり☆☆

土曜日·····
みのりは朝
仕事を片付けて10時過ぎに自宅へ戻った。

東吾を無視して
家政婦さんとお昼の話しと
打ち合わせをしていると
「ただいま。」
「おじゃまします。」
と、声が

家政婦に私が行くからと
伝えて、玄関にいき
「二人とも、いらっしゃい。
遥君も、さぁ、上がって。」
「はい。あっ、お義母さん
これお口に会うかわかりませんが。」
「うふふっ、お義母さんね。
いいものね。男の子にそう言われるの。
遥君、ありがとう。
後で一緒に頂きましょう。」
と、言うと
二人とも、真っ赤になっていた。

二人を連れてリビングへ行くと
東吾は、ソファーに座っていた。

「あなた、見えましたよ。」
「お父さん、ただいま。」
「おじゃま致します。」
「七湊、おかえり
えっと、大沢君かな
いらっしゃい。」
と、言って二人にソファーへ
座るように進めた。

みのりは、コーヒーの準備に行き
戻ってきて、コーヒーをだして
一人掛けのソファーに腰を
おろした。

すると、遥君が
「本日は、お時間頂きまして
ありがとうございます。
お義父様には、お初にお目に
かかります。
わたくし 大沢 遥と申します。
まだ、大学も卒業していない身で
ございますが
七湊さんとの婚約、結婚の
お許しを頂きに伺いました。
宜しくお願い致します。」
と、頭を下げた。
七湊も一緒に

東吾は、
「遥君と言ったね。
遥君のご両親は、
賛成されているんだね?」
「はい。母はもちろんの事
父も早急にご両親に挨拶に
行くように言ってくれています。」
「そうか、良くわかりました。
それなら、私は反対しないよ。
だけど王林組に入れば君は、
忙しくなるのでは?
そんな中で大丈夫なのかい?」
「はい。
それにつきまして、
お願いがございます。
大学の卒業と同時に
七湊さんと私のマンションで
一緒に暮らしたいと思っています。
その事もお許しを頂けたらと
思っています。」
「大学を卒業したら
七湊は、幼稚園の先生として
仕事につくと思うが
その事も問題ないんだね。」
と、訊ねると
「はい。七湊さんのやりたかった
仕事ですので、問題ありません。
ただ、パートナーを同伴する
会社の行事等には、一緒に同行して
もらうことになりますが。」
「幼稚園の仕事をしながら
遥のお義母様に色々
教えて貰い勉強するつもり。」
と、七湊が言うと
遥君が嬉しそうに七湊をみて
二人は、微笑みあっていた。

「それなら、私の言うことはないよ。
大沢君、娘を宜しくお願いします。
七湊、幸せになりなさい。」
と、東吾が言うと
「お父さん、ありがとう。」
「ありがとうございます。
必ず、幸せにします。
と、言うか
七湊がいないと、私が幸せに
なれないので。」
と、頭をかきながら言う遥に
みんな笑っていた。

みのりは、今だけでなく
永久に二人が愛しあって
想いあって欲しいと
願っていた。

それから、四人で昼食を
取りながら、雑談をして
七湊と遥君は、帰って行った。

明日、遥君のお家に挨拶に行くようだ。

私にも会社から連絡が入り
家政婦に声をかけて
会社に行こうとしたら
腕を捕まれて
「どこに行く?」
「会社よ。なに?」
「何が、気に入らないんだ?
我が儘もいい加減にしろよ?
何に拗ねているのか
わからないが、子供みたいな事を
していないで帰ってこい
みっともない。」
と、呆れたような
さげすんだような目でみながら
言う東吾
「あっ、それと
お前の仕事部屋のベッドは
廃棄したから
なんの嫌がらせだ。」
と、言われて
私の気持ちもしらないで
勝手な事ばかりする東吾に
頭に来て
私は、腕を振り払いながら
「そんな考えしかできない
あなたに、私の気持ちが
わかるはずない。
七湊の結婚式が終わって
落ち着いてから言うつもりでしたが
離婚してください。
あなたとは、もう一緒に
いる理由がない。」
と、言って家をでた。

なにを・・離婚?
一緒にいる理由がないだと?
訳がわからない・・・

だが、数日後
別の弁護士事務所の弁護士から
書類が自宅に届いた。

みのりからの依頼で
離婚届と離婚に伴っての書面が
入っていた。

・家も財産もいらないこと。
・七湊は、結婚するので
    親権の問題ないこと
・会社の顧問弁護士は、継続して
 東先生にお願いする
 それに不服なら弁護士事務所を変える。

俺は、直ぐにその弁護士(岩倉さん)に
連絡をした。

岩倉先生は、みのりのお父さんの
友人の息子さんだった。
と、言うことは、お義父さんも
この件を知っていると言うことか。

岩倉先生は、個人でやられている
弁護士のようだ。

みのりと話がしたい、事を伝えたが
「みのりさんが
あなたと会いたくないと
おっしゃっていますので。」
と、言われた。

離婚したいという
理由がわからないと伝えても
理由は、性格の不一致としか
言われなかった。

みのりは、近いうちに
新しいマンションに移るから
荷物はその時に引き上げたいと
言われた。

くそっ、勝手なことばかり
どこまで、我が儘なんだ。

東吾は、怒りばかりで
全て、みのりが悪いと嘆き
自分を省みることはなかった。
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