交わることはない

挨拶 大沢家☆☆

遥のお家は、家の倍ほどある
大きな洋風のお家だった。

お庭も広く、とても綺麗

「母さん、帰ったよ。」
「あっ、遥、七湊ちゃん
いらっしゃい。」
「お邪魔します。
お義母様、お口にあいますか
わかりませんが。」
と、お土産を渡すと
「わぁ、ありがとう。
気を使わせてしまって。
これ、私もみのりも大好きよ。」
と、言ってもらって
良かった、と思っていると
遥に手を取られて
「おいで。」
と、言われどんどん先に行くから
「‥‥遥‥?‥」
「母さんに笑いかけなくていい。」
と、理不尽なことを言う遥に
私が何も言えずにいると
お義母様が笑いだして
「なんなんの?遥
今までに見たことないから
すごく新鮮。」
と、笑いながら
私達の後を歩いている
お義母様に
私は、真っ赤になり
遥は、ふん
と、無視
ドアを開けて入るとリビングで、
ソファーには
オーラのある男性が座っていた。
「父さん、ただいま」
「ああ、遥、おかえり」
声までしぶい
「あのっ、お邪魔します。
小松 七湊と申します。
よろしくお願いいたします。」
と、入り口で頭を下げる
「いらっしゃい。
どうぞ、こちらにきて
座ってください。」
と、お義父様が言う

遥は、私の手を引いて
自分の隣に座らせる

そんな遥の姿に少し目を
泳がせたお義父様だが
直ぐに微笑んだ。
「あすかに聞いてはいたが
驚いた。」
と、お義父様
するとお義母様が
「そうでしょう?
さっきも私と七湊ちゃんが
笑いあっていたら
怒るのよ。」
と、言うと
お義父様は、豪快に笑った。

私は一人赤面していると
「父さん、母さん
俺、七湊と結婚します。
まだ、大学を卒業していないけど
直ぐに婚約して卒業後
入籍したいと思っているから
七湊のご両親も賛成してくれた。
で、七湊のマンションは解約して
俺のマンションで生活するからね。」
「そうか、遥の気持ちはわかった。
先に私には、話してくれていたしな。
七湊ちゃん、あっ、七湊ちゃんと
呼ばせてもらって良いかな?」
と、言われて頷くと
「ありがとう。
七湊ちゃん、息子の大夢が
すまなかったね。」
と、言われて
「いいえ、私が勘違いしただけです。
私の方こそ大夢さんの時間を
無駄にしたと思っています。
大夢さんに迷惑かけたのに
今度は、弟の遥さんと結婚とか
図々しいと思われるかも
知れませんが、私は遥さんの
優しさ、愛情の深さ、そして
仕事に向き合う姿を尊敬しています。
私では役にたたないかも
しれませんが、遥さんの横で
遥さんと一緒に生きて行きたいと
思っています。
よろしくお願いします。」
と、頭を下げながら伝えると

遥は、私を横から抱き締めて
「他の男の名前とかいらない
まして、兄貴の名前とか
呼ばないで。」
「ごめんね、遥。
でも、お義父様にもお義母様にも
きちんと聞いて欲しかったの
私の気持ちを。」
と、言うと
「七湊は、俺の。」
「うん。」
むちゃくちゃな事を言われているのかも
しれないが、私は遥の言葉が
嬉しかった。
「あはは、遥の溺愛ぶりはスゴいな。
七湊ちゃん、私は遥の嫁さんが
君で良かったと思っているよ。
君だから、七湊ちゃんだから
今の遥があると思う。
大夢の事は、何も気にしなくて
いいからね。
遥と幸せになりなさい。
私も全力で遥をサポートするから」
「‥‥はい・・
  ありがとう・・ございます‥‥」
と、頭を下げた七湊の頬に
涙が流れ
遥は、自分の親指のはらで
そっと拭きながら
「絶対に幸せにするから。」
と、七湊を抱き締めた。

善もあすかもそんな二人を
温かな目で見ていた。

それから、四人は
婚約の話しや
式の話をし
両家の顔を会わせをしないとな
と、なり。
「じゃ、私がみのりと
   連絡を取ってみるわ。」
と、遥のお母様のあすかさんが
言ってくれた。

七湊も仲良しの二人だから
お願いした。

家族の顔会わせには
大夢は、参加しなくても良いが
式はそうはいかないんじゃないかと
話になり
それも、あすかが大夢と話す事と
なった。

少し遅くなったが
遥と七湊は、遥のマンションに帰り

善とあすかは、二人を見送った。
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