はやしくんに、紫陽花の花束を。
むらさき


『それでは、新郎新婦の入場です』


親しみのある友人の司会の声で、親しみのある男女が入場してくる絵図。幸せそうな顔して歩いてる友達見たら、あぁ、なんで私ここに座ってんだろう。って思えてくる。



てか、今年何回目だろう。結婚式。



「七瀬も、早く結婚すればお祝いあげた分戻ってくるのにね」


「相手が居ないの、相手が。分かってておちょくってるでしょ柳瀬」


私を馬鹿にしてくる柳瀬 双葉(やなせ ふたば)。ちなみにコイツには婚約者がいる、と言うか先月出来た。しかも私たちの5つ年上でイケメン社長。


またお祝いでお金無くなるのかよ、クソって本人に暴言を吐けるぐらいには仲が良い。


「いつまでも高校の頃の恋引きずってるからでしょうが。そろそろ忘れなさいよ、その人のこと。」


「…いやぁ、誰と付き合っても思い出しちゃうんだもん。無理でしょ」


「アンタの中で【はやしくん】?だっけ?どんだけカッコ良いんだよ…」



そう、私の忘れられない人。


林 奏多(はやし かなた)はいま何をしているのだろう…なんて考えてたら昔のこと思い出してニヤニヤしてきた、やべ。


気持ち悪っ、と柳瀬に吐かれ視線をそらされる。披露宴中に何考えてるんだか、と自分が嫌になる…


「てかさ、今日の参列者にも林って人いるよね、もしかしてその人だったりして」


「えっ!?」


そう言われて急いで座席表を確認する。


新郎側の席なんていつも確認してなかったなぁ…はやしくんしか興味ないし。まぁいるわけ



「…居たわ」


「まじで!?どれ!?」

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