何年経っても君の隣に
私の世界は真っ暗で毎日がつまらなかった。
本もゲームもないし、何もすることがなかった。
そんな小学3年生になったある日。

〈お前、神山怜奈って言うのか?〉

〈えっ………?うん?〉

〈俺は神宮寺新!新って呼べよ!よろしくな、怜奈!〉

私は新と出会った。
そして………

〈怜奈、こっちは俺の幼なじみの響!〉

〈遠山響です。よろしくお願いします。〉

〈神山怜奈です。よろしくね、響!!〉

それから毎日遊んだ。
病気のことを忘れて。
いっぱいいっぱいいっぱい遊んだ。
だけど………

〈怜奈っ!?〉

〈怜奈ちゃん!!〉

生まれつき体が弱い私は限界だったみたい。
楽しいのに体は追い付かない。

〈怜奈!〉

〈怜奈ちゃん!〉

新と響の声がだんだん遠のいて。
目が覚めたらいつもの部屋にいた。
自分のベッドの上に。
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