極上御曹司のヘタレな盲愛
向こうのテーブルで似鳥と水島の両親が、こっちを見て笑っている。

御曹司にしてはかなり自由な息子と、ネガティヴな残念娘をずっと温かく見守っていてくれてありがとう。

でも、この人達…生まれてくる双子が男の子か女の子か…どういう組み合わせで生まれるか、賭けをしているらしい…。まったく!

大河の腕に手を絡ませ奥までゆっくり歩いて行くと…。

「おお、来たか…。」
「二人ともおめでとう」
「本当におめでとう」

そこには水島のお祖父様とお祖母様、早々に隠居し、オーストラリアで悠々自適の生活を送っている似鳥のお祖父様の幼馴染三人…。

似鳥のお祖父様は、2ヶ月後の花蓮の結婚式まで日本にいるんだって。
「面倒だから、光輝もついでに片付いてくれればいいのに…」と笑っていた。

「本当に、桜ちゃんの花嫁姿をまた見ているみたいねぇ」
私を見て、自分の若い頃に思いを馳せ、ウットリと言う燿子さん。

「本当だ…。大河、桃ちゃんを泣かせたら儂が許さんからな」

「よく言うよ。子供の頃、桜さんに意地悪ばかりして泣かせていたのは誰だよ」

「うるさい」

「俺は複雑だ…。桜と若い頃のお前が結婚したみたいで、見ていると少し腹立たしいぞ」

三人でワハハと笑い合っている。


お祖父様達が幼馴染で…。

私のお父さんと、大河のお父さんが幼馴染で親友で…。

色々誤解があって遠回りもしたけれど、私と大河がこうして愛し合って夫婦になったのは…もう、生まれた時から決まっていた運命と言うしかないのかもしれない。


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