ことほぎのきみへ
……
……
……



……頬に涙が伝って


ぽたぽた床にこぼれ落ちてく



慌てて涙を拭うけど
拭った端から、また溢れて追いつかない




……どうして、この人は……




もう、充分すぎる位

救われてたのに




この人から貰ったあの言葉があったから

深いところに落ちたままでも

暗くても、息苦しくても


溺れかけても


今まで生きてこられた




ほんの少しの救いがあるなら


生き地獄でも構わないって思ってたのに




なのに




「もう、いいよ
……頑張ったね」



傍にやって来たあの人が

そっと優しく頭を撫でる



「……っ、」



涙腺が決壊して、また止められなくなる




いつだって
この人の言葉は、声は私の心を動かす



押し込めた気持ち

沈みかけた気持ち

消したいと願った気持ち


全部


掬いあげて、受け止めて、消化して



救ってくれる





これ以上はないって


絶対に救われる事なんてないって


それが当たり前だって思ってたのに





「…」





いたわるように

優しく触れてくるあの人を見上げて






……かみさまみたいな人だって思った





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