ことほぎのきみへ
えーと…


「いろははなんて?」

「吉
うーん……全体的に、まあまあな感じかな」


大吉の次にいいのが吉らしいけど

気を付ければうまくいきますよー
と、言った内容

可もなく不可もなくという感じ


「恋愛は?」


あ、

興味がなかったから
恋愛の欄は読んでなかった

ゆうりに言われて
もう一度、おみくじの文字に目を走らせる


「えーと……
『永久(とわ)の相手が現れる。逃(のが)すな。』?」


「永久の相手?
変わらずこの先も一緒にいられる相手って事?
運命の相手的な?」


「どうだろうね」


……運命の相手


ゆうりの言葉を聞きながら
ぼんやり心の中で繰り返す


……そんな人、現れないと思うけど


そもそも恋愛をするつもりもないし
現れても、気づかず見送りそう


…でも


『変わらずこの先も一緒にいてくれる相手』


ほんの少し……思った


『ひとり』で生きる必要のない人生

一緒に悩んで、考えて、寄り添ってくれる相手


そんな人がいたら、どれだけ幸せだろうって
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