私のかみさま
『あの方を…
自分の行く末にあかりを灯してくれたあの方を』


『榊を…』


『また、ひとりにはさせたくない』



最後の最後まで
おじいちゃんは榊の事を心配していた


榊に会いたがっていた


もう一度、姿を見たいと


声を聞きたいと言っていた



そして、私に託した




『佐奈。神様を…榊のことを忘れないでおくれ』




『例え、姿が見えなくなっても
声が聞こえなくなっても』




『あの方は、ここにいる』




『忘れないで、傍に寄り添ってあげておくれ』




『同じようには生きられなくとも』




『最後には
自分の方が置いていってしまうとしても』





『それまでは……どうか傍に』
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