私のかみさま





『なんで泣いているんだい?』



夢の中、幼い声にたずねられる

真っ白い空間にひとり立ち尽くす私

他に誰かの姿は見えない
聞こえるのはその声だけ


私には見えないけど

声の主には私の姿が見えているみたい



(……生き方がわからないの)


『どうして?』


(他人が怖い。自分が信じられない)


『なぜ?』


(…なぜ?
……今まででずっとそうだったから)


『だからって
まだ訪れていない未来を悲観するのは勿体ないことだと思うけど』


(……)


『先の事なんて誰にも分からない
きみが望んで努力すれば
変わることだってたくさんあるさ』


(……望めば……)


『変わりたい?』


(………うん)


『分かった
なら、君が変わるための手助けをしてあげるよ』


(…手助け?)


『うん。
君がそれを望むなら』


(それは-…)
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