私のかみさま
問いかけようとした瞬間、はっと目が覚める


ぼやける視界が徐々に鮮明になっていく


映るのはいつもの風景、静まり返る殺風景な部屋



「……変な夢」



ぽつりと呟いて寝返りを打つ



『手助けをしてあげるよ』



……我ながら、自分に都合の良い夢を視た


そんなことあるわけないのに
夢の中でも他力本願


……みっともない



「…」



カーテンの隙間から差し込んでくる光が眩しい



………嫌だな



また、今日も1日
自分に絶望しながら過ごすことが


それを繰り返す毎日が、たまらなく嫌で



布団にくるまり、ぎゅっと目を閉じる



……もう何も考えたくない



見たくない



聞きたくない





―トントン



控え目にドアを叩く音に、びくりと体が震える



「-…佐奈(さな)」



間を置いて聞こえたのは
今にも消えてしまいそうな、か細い女性の声



「佐奈。お母さん、仕事に行くから
ご飯…ちゃんと食べなさいね」



か細い声の主は私のお母さん


自信なさげな、疲れたような声



そうさせてしまったのは私



………ごめんなさい


ごめんなさいごめんなさい



去っていく軽い足音
耳を塞ぎながら、心の中で何度も謝罪する



………弱くて



ごめんなさい




声を押し殺して泣いた



ひたすら泣いた
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