私のかみさま
「何だ?」



名前を呟くと
間を置かずに、後ろから声が返ってきて


驚いて振り返ると



「……榊」



そこには榊がいた

手にはコンビニの袋を持って



「ああ。……大丈夫か?ふらついてるぞ」



榊は私に近付くと、そのまま私の額に手をあてた



「お前、熱出てるな」



眉間にシワを寄せて、呆れたように指摘してくる



……熱

そっか、熱のせいか


体が思うように動かないのも

感傷的な気持ちになったのも


………榊に会えて、安心したのも


全部、熱のせいだ



「…」



……冷たいのに、あたたかい手



「なにも、こんな状態の時まで
作業する必要は……」

「榊」



説教じみた言葉を遮って、私は榊を見上げた



「私を、助けた?」

「……何の事だ?」



一瞬、間をあけて首を傾げる榊

とぼけてるのか、本当に心当たりがないのか
表情から読み取れない



「海で、私を助けた?」



視界が揺れる

倒れそうになるのを
なんとか堪えながら、問い詰める


榊をそんな私を、じっと見下ろして



「お前は、どんな答えが欲しいんだ?」



真顔で聞いてきた
< 46 / 184 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop