【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい~俺様御曹司と甘く危険な政略結婚~
「綾香が……コホッ……作るととんでもないものが……コホッコホッ……出来そうだ」
咳をしながら私をからかう彼に少しムッとした。
「まあ、酷いですわ」
へそを曲げる私を見てフッと笑うと、その横で彼はお粥を作り始める。
慣れた様子でネギを刻み、なぜかご飯を水洗いして、水と他の調味料らしきものを鍋に入れてご飯とネギを煮込んでいる。
その間に卵を溶いて、鍋に入れ蓋をしたと思ったら、火を消して塩を振り、ふたり分小さな土鍋に入れた。
お粥を作るのに五分もかからなかった。
「ゴホッ……ごめん。綾香の好きなもの今日は作ってあげられない」
申し訳なさそうに謝る彼を見て涙が込み上げてきた。
なんでそんなに私の心配ばかりしますの?
泣かないように上を見ながら蒼士に怒る。
「何を言ってるんですか! 私のことなんていいんです」
自分が辛いのに私の心配なんてしないで。
今ほど料理が出来ないことを後悔した日はない。
弱ってる彼にお粥も作ってあげることが出来ないのだ。
ダイニングテーブルに座ってお粥を食べるが、蒼士があまり口にしない。
食べる気力もないのかしら?
でも、食べないと元気にならない。
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