【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい~俺様御曹司と甘く危険な政略結婚~
会議室のドアには鍵がかかっていなかった。
ガチャっとドアを開けて中に入れば、秋人が綾香にナイフを突きつけている。
「秋人、止めろ!」
殺気を漲らせて叫ぶと、彼はニヤリと口角を上げて俺を冷やかした。
「意外に来るの早かったな。副社長ってそんなに暇なのか?」
「綾香を離せ」
秋人の発言をスルーして彼に言い放つ。
彼女の服は乱れ、ブラウスのボタンはいくつか外れていて、首を怪我したのか少し出血していた。
こいつ……。
怒りが込み上げてくる。
「お前の命令に従う義理はない。それに、命令するのは俺の方だ」
残忍な笑みを浮かべ、彼はナイフを使って綾香のブラウスのボタンをひとつ外す。
すると、ボタンが外れて、飛び散った。
下着が露わになり、綾香は今にも泣きそうな顔で身体を震わせている。
秋人はいつでも彼女を殺せると言っているのだろう。
許せなかった。
「お前……」
怒りに満ちた目で秋人を見据えれば、彼は楽しそうに目を光らせた。
「綾香ちゃんを死なせたくなかったら、プライベートジェットと百万ドル用意しろ。ほら、早くしないと、今度はこのナイフで彼女の胸を刺すぞ」
< 164 / 214 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop