君へのLOVE&HATE
「景都、今日本屋さん行きたいから、帰り付き合ってくれる?」
「うん、わかった。」

私たちは、教室で当たり前のように名前を呼び、
当たり前のように会話をするようになった。


あの日、

あのあと、、二人の秘密の場所に移動して
何度も、キスをして、体を重ねた。
秘密の二人の場所で、穂積の体温を感じながら、
穂積の背中越しに見える三日月を見ていた。

嬉しいはずなのに

なぜか?悲しくて、

このまま二人で入れることができないのでは無いかとおもっていた。

幸せすぎたからなのかもしれない。

穂積の温もりを感じて幸せなはずなのに
涙がとまらなかった。

穂積は私の涙を何度も細く長い指で拭いながら

好きだよ
愛している

と繰り返していた。

なんども体を重ねてきたけれど、今までのとは違っていた。

気持ちが通じる中での行為は、こんなにも幸せなのかと感じてたまらなく幸せで泣けてきた。

和樹くんを重ねたらいいと言われて
でも、
思えば穂積を和樹くんに、重ねていたことはなかったように思う。

ずっと、、、穂積の体温を感じていた。


思えば、図書室で、二人きりの時間を過ごした時から惹かれていたのだと思う。

和樹くんと会った時も
たぶん、
私がまだ和樹くんを好きだと思われるのが嫌だったから、会わせなくなったのかもしれない。

和樹くんといる私を見て、穂積がどう思うか、不安だったのだと思う。


穂積と、きちんと、彼氏彼女の関係になって一週間。

幸せだった。

だけど、
あまりにも幸せだと
不安になる。

何かあるのではないかと。

どこからか崩れていくのではないかと。

そんな不安と、幸せと、抱えていた。
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