君へのLOVE&HATE
「それじゃ、各自荷物を置いて、一時間後エントランス集合。」

担任の指示があり、それぞれ宿泊施設へと足を向けた。

キャンプ合宿初日。

一泊2日。

グループが決まった時はまさか、一ヶ月後に穂積と恋人関係になっているなんて思わなかった。


すこし郊外にある、学校所有のキャンプ施設。
部活の合宿とかにも使われるだけあって、とても広いし、運動場とか設備もかなりバッチリだった。

宿泊棟が、二つあって、真ん中を連絡橋が繋いでいる。

北館が男子、南館が女子に分かれてそれぞれ一年生が荷物を置きに行く。

天気も良くて
空気も綺麗で
気分も良かった。

雲ひとつない青空に、眩しい太陽。

楽しい2日になったらいいな、なんて思っていた。


部屋はグループメンバーごとだから、ナコちゃんとも一緒。
荷物を置いてエントランスに集合すると、すでに穂積たち、男子メンバーは来ていた。

「景都!」
名前を呼ばれて、こっちこっちと手を振られる。

「おまたせ」
こうしてまさか、みんなの前で隣にいられるなんて夢みたい。
「二人とも仲良いことで」
同じグループの田中くんがからかう。

まだこういうのにうまく切り返しができない。
「うらやましいだろ~。景都は一番かわいい」

穂積がこんなこというキャラだとは思わなかった。
とことん、甘やかされている。

でも
幸せだと怖くなる。

夢なんじゃないかって・・・。

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