君へのLOVE&HATE
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「おかえりなさい。いま、和樹君きているから、挨拶してきなさい」
家に帰るとお母さんが嬉しそうに話ししてきた。

まったくもっていらない情報の押し売りにげんなりして自室に戻る。

制服から普段着に着替えて
リビングに顔を出す。

姉と和樹くんがソファでくつろいでた。

「おかえり、景都」

姉が私に気が付いて声をかけた。
飲んでいた紅茶のカップをそっとテーブルに置く。
ストレートロングの髪の毛を耳にかけて私に笑顔を向ける。
変わらずきれいなしぐさの姉にみじめな気持ちになる。

きれいな姉と普通の私。


「ただいま」

「お邪魔してるよ。景都ちゃん」

仕事帰りのスーツスタイルの和樹くんも笑顔で私を見る。


「学校はどう?」
和樹くんが話かけてくる。
3月の…二人の婚約を聞いた日から久しぶりの再会。


「たのしい・・です」

早く部屋に戻りたい。
姉は私のそんな気持ちなんて知らずに話を続けようとする。

「また数学教えてもらったら?和樹、高校の数学も得意でしょ?」
「あっ、いや。大丈夫」

あわててことわる。

お母さんが話を聞きつけて、また教えてもらったら?と進めてくる。
姉が私の顔を、見ている。
姉の視線が痛い・・。


もう、ここにいたくない。
吐き気がする。

「私宿題したいから部屋に戻るね」
やっと絞り出した声で、部屋に戻る。


もう・・・忘れたい。
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