家族
玲音は亮平の姉に化粧をしてもらい女の子になった
亮平の姉の冴子は「あら、可愛いじゃない!お嫁に貰ってあげましょうか?」と笑った
亮平も「いや、姉ちゃん、俺が嫁に欲しいわ」と笑った
玲音も笑っていた
物凄く落ち着いた気持ちでいた
それは友達のおかげだった
亮平と共に水上町へと向かう
目撃した場所へ逝くと‥‥‥
偶然にも父親が‥‥女の子と手を繋いで歩いていた
その後ろには物静かな女性が離れる事なく歩いていた
「パパが一緒だと楽しいよ!
またパパと何日も逢えないから一緒だと楽しいよ!」
女の子はそう言い悟史の手を引っ張った
悟史は笑っていた
楽しそうに笑っていた
うちではそんな風に楽しそうに笑った事ないじなないか‥‥
それが悔しくて‥‥堪らなかった
「パパ」
そう言い見上げる女の子を愛しげに見る
あぁ、そうか‥‥
玲音は気付いた
父親が女の子を見掛けると遠くを見るのが何故か‥‥‥気付いてしまっていた